このような動きが続き、政策決定プロセスにかかわる情報が開示され、ネットで中継され、感想や分析すらリアルタイムでウェブに公開されるようになると、マスメディアの立ち位置が一層揺さぶられることになる。
まず、いくら多数の記者を投入したところで、速報性で勝つことができなくなる。次に内容。政治家の発言を切り取るだけ、仕分けの結果を伝えるだけでは、ツイッターのつぶやきと変わらない。そして時間軸(情報が古びてしまう)。これまでどおりの単なる情報の媒介では通用しなくなっている。さらに、政策決定プロセスへの関わり方も変化する可能性がある。
55年体制では、政策や事業の決定プロセスは自民党と官僚の調整によって行われたことでブラックボックス化し、族議員と官僚の癒着も生んだ。そのため、マスメディアは党の有力者や官僚から情報を取得することにしのぎを削り、時にはリーク情報に踊らされ、一部には政策決定そのものに関与するという共犯関係も成立していた。マスメディアが有権者を政治から遠ざけていたという側面もあったのではないか。
10月31日、駒沢大学で有志と行ったシンポジウム「ブロガーが問う!ネット時代の政治とメディアの新たな関係」に登壇した駒沢大学法学部政治学科の富崎隆准教授は、その状況を「官僚は記者をポチと呼んでいる」と辛らつに表現していた。
また、ゲスト出演したみんなの党の浅尾慶一郎衆議院議員(ツイッターのダイレクトメッセージで参加依頼を行った)は「マスメディアは注目が集まっているものだけを取り上げるがウェブを通じて意見を発信できる。影響はわからないが反応はある」と話していた。
シンポジウムは同大グローバル・メディア・スタディーズ学部によって動画サイト「ニコニコ動画」のニコニコ生放送で流され、延べ1200人に見られた。ネット中継なら安い機材で簡単にでき、たとえ視聴者が数人でもかまわない。事業仕分けも、マスメディアが対象とする数万から100万単位の人に見られているわけではなく、民放テレビ局は視聴率を考えればいくら重要でも生中継は難しいだろう。事業仕分けの時間、ワイドショーは死体遺棄容疑で逮捕された容疑者の護送を繰り返し流していた。
事務次官会議の廃止や今回の事業仕分けなどで政策決定プロセスが変わり、新たなメディアが広がっていくなかで、マスメディアの立ち位置が古くなっている。それは、商品流通の中間段階で価値を生まない取り次ぎ業者が「中抜き」される現象とも重なって見える。
"— ネット中継とツイッターで「中抜き」されるマスメディア インターネット-最新ニュース:IT-PLUS (via katoyuu) (via yaruo) (via kai-koh) (via ikegai)